2023年6月22日、clusterで大規模アップデートを発表するClusterConference 2023 in Summerが開催されました。
前回開催されたClusterConference 2022では、アバターにアイテムを装着できるアクセサリー機能やカメラをワールドに固定できるようになったカメラ2.0などがリリースされました。
中でもスクリプトが対応したことによって、複雑なギミックの制作やcluster内だけで自作のワールドを作成できる機能「ワールドクラフト」で”動き”のあるアイテムを作れるようになり、ワールド制作の表現の幅が各段に広がりました。
今回のカンファレンスでは、「手触り」「繋がり」「はじまり」をテーマに、普段からclusterで過ごしているユーザーの方や新しくclusterを始める方にとって、より快適な生活を送れるようになるアップデートが数多く見られました。
それでは、どのようなアップデートがあるのか見ていきましょう。
手触りの改善
PC・スマホ版のUIが変更
普段から目にすることも多いメインメニューが、よりUIを意識したデザインに変更されることが発表されました。以前のメインメニューよりも、アイコンが分かりやすくなったりと直感的に操作を選択できるようになりそうです。
プロフィールの設定には新たに称号が追加、アクセサリーストアなどをメインメニューを開くと直ぐに見れるようになるのは、大きなアップデートだと感じます。
メインメニューのUIの変更は、7月中旬頃にリリース予定です。
アバターメイカーのUIが変更
アバターメイカーのUIが一新されることが発表されました。今までは、髪型や服装の選択の際は直線的に並んだUIの中から選択する方式でしたが、横5列で縦に選択できるようになったことで視覚的にも分かりやすくなりました。
また、髪色の選択などについても決められたプリセットしか選べなかったものが、より細かい色相で選ぶことができるようになり個性を出しやすくなったと感じます。
アバターメイカーのUIの変更の来週の予定です。
モーションの変更
歩行やジャンプ時などのモーションが変更になることが発表されました。
さらに今までにはなかった「走り」モーションが追加。スマートフォン版であれば、移動の際に使用するタッチパットを大きく倒す。PC版であれば「shiftキー」を押すことで走りモーションへと変わります。
モーションの変更は小さな変化かもしれませんが、「走り」モーションが追加されたことで新しいギミックを考えるきっかけにもなります。clusterで多くあるアスレチックワールドなどで、「走り」モーションを活用した新しいギミックを思いつくことがあるかもしれません。
モーションの変更は、7月初旬頃にリリース予定です。
ステレオ音源対応
待ち望んでいた方も多くいるステレオ音源のリリースが発表されました。ステレオ音源に対応することで音楽イベントなどで、その場にいるような立体感や臨場感のある音を楽しむことができるようになります。
ステレオ音源は、8月初旬頃にリリース予定です。
繋がりの改善
写真フィード
Twitterのようにcluster内で撮影した写真を「写真フィード」機能を使って投稿できることが発表されました。「いいね」や「コメント」などもすることができ、フレンドや他のユーザーとの交流がより楽しくなりそうです。
写真フィード機能は8月初旬頃にリリース予定です。
スペース機能
従来のサーバ機能がスペースという名称に変更され、機能が大きくアップグレードすることが発表されました。
今までのclusterではサーバ外からは、中の様子が見えませんでしたがスペース機能に変更されることで「初心者歓迎」や「ゲームの話をしてる」など自由にタグ付けができるようになり、外からもワールドの中の様子が分かるようになります。自分に合った場所を見つけやすくなるため、気軽に入ることができるようになりそうです。
スペース機能は、8月初旬頃にリリース予定です。
ホームクラフト
clusterを始めた際に初めに訪れていたキャンプ場のような場所（ホーム）を自分自身でテンプレートを選択してカスタマイズできるようになることが発表されました。
ホームクラフトでは、clusterのワールド制作機能「ワールドクラフト」の機能が使えるので自作したアイテム等を飾ることもできそうです。
リリース日は再来週の予定です。
はじまりの改善
clusterツアー
clusterを始めたばかりのユーザーにとって、「clusterで何をすればいいか」、「clusterがどんな場所」かという質問はよくあるものでした。
チュートリアルワールドはあったものの、より楽しく、アトラクション性を意識したチュートリアル「clusterツアー」が発表されました。
新規登録したばかりのユーザーがいきなりclusterの世界に放り出されることがなくなり、始めたばかりのユーザーの方たちがclusterを楽しみやすくなりそうです。
clusterツアーは7月中旬頃にリリース予定です。
clusterポイント、商品チケット
clusterで過ごしていると、cluster外部の販売サイトなどからアップロードしたアバターやアイテムなどを見かけることがよくあります。
外部のサイトからcluster上にアップロードするには多少なりとも知識が必要なこともあり、clusterを始めたばかりの方にとっては難しいものです。
clusterポイント&商品チケットのシステムは、clusterポイントを一定数貯めて、一部のアバターやアイテムと交換することができるシステムです。
交換対象のアイテムはクリエイターが作成することもでき、「チケット引換対象商品」として登録することで無料でアバターやアイテムなどを配布することができるとのことです。
clusterポイント&商品チケットのシステムは7月中旬頃にリリース予定です。
ミッションの追加
ゲームでよくあるようなミッション機能がclusterに追加されることが発表されました。「カメラで写真を撮影する」や「フレンドを作る」など具体的な行動が書かれており、それぞれのミッションをクリアすることで前述の商品チケットに交換することのできるclusterポイントを貯めることができます。
ミッション要素ができたことで目的を持って行動ができるようになり、clusterを始めたばかりのユーザーの「何をすればいいか」のきっかけにもなりそうです。
ミッションは7月中旬頃にリリース予定です。
ビギナーシステム
VRChatにあるようなユーザーランクのシステムが追加されることが発表されました。clusterを始めたばかりのユーザーは「トラベラー」となり、この状態ではいくつかの機能に制限があるようです。
clusterを始めたばかりのユーザーが一目でわかるようになるので、会話のきっかけにも繋がりそうです。
ビギナーシステムは7月中旬頃にリリース予定です。
ロビーのリニューアル
長年の間、親しまれてきたcluster lobbyが新しい形で生まれ変わることが発表されました。
ロビーというよりも一つの小さな街のような外観ですが、カフェやイベントスペースがあったりと、これから始まる物語の期待を感じるようなワールドに仕上がっているように思います。
ロビーのリニューアルは7月中旬頃にリリース予定です。
クリエイターズキット ベータ機能
ワールド制作に関する新機能は、嬉しいものですが同時に既存のシステムを壊してしまうこともたびたびあります。Cluster Creator Kitのベータ機能が追加されることで、一足先にリリース前の新機能を使用してワールド製作ができるようになることが発表されました。
今後、多くのものがリリース予定とのことでワールド制作者にとって新しいツールが使えるようになるのは楽しいものです。
AIの活用
clusterにはメタバース技術の最先端を研究している「メタバース研究所」が存在し、今回のカンファレンスでは、昨今話題のChatGPTなどの大規模言語モデルを活用した新たな指針が示されました。
clusterで開催されている多くのイベントから、個人に最適なものをオススメする（レコメンデーション）機能や3DCGコンテンツへの活用など、これからの活躍に期待が膨らみます。
AIを活用した人材の募集も行っているとのことで、メタバース分野でのAI活用に興味のある方はclusterの採用ページを覗いてみてもいいかもしれません。
クラスタークリエイタージョブズ株式会社の設立
最後に発表されたのは、clusterの子会社にあたる「クラスタークリエイターズジョブズ株式会社」の設立についてです。
今までは、企業などからclusterでのワールド制作等を依頼される場合、clusterを介さない状態での受託契約を行うことは推奨されておらず、クリエイターが企業からの依頼を受けることはできない状態でした。
今回のカンファレンスで「クラスタークリエイターズジョブズ株式会社」の設立が発表されたことで、契約を結べなかったものが一定の条件とポートフォリオの審査を通過した人のみが企業からの依頼を受託できるようになりました。
クリエイター登録は新たに作られた「クラスタークリエイターズジョブズ株式会社」のWebページから行うことができます。
Cluster Creatorjobs | メタバースで活躍する クリエイターと クライアントをむすぶ (cluster-creatorjobs.com)
