【PR】「こあられのアトリエ」オーナーインタビュー 作りながら成長してきた4年間

「こあられのアトリエ」は、2019年9月に開設された老舗BOOTHショップ。3Dモデラーのこあられ。さんがオーナーで、「自分の性癖に正直なショップ」としてこれまで約140点ほどのアイテムをリリースしてきました。

昨月5月2日には、鼠径部を見せる大胆なデザインが特徴的なホットパンツ衣装「Badass Heart」を発売していましたね。

今回は、そんな「こあられのアトリエ」の魅力に迫るため、オーナーのこあられ。さんに深掘りインタビューを実施。こあられ。さんがモデリングを始めたキッカケから、こだわりの商品、今後の展望などをざっくばらんにお聞きしました。「こあられのアトリエ」がどんなショップなのか、より深く知れる内容となっています。

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コスプレ改変から3Dモデリングにチャレンジした

――まずはBOOTHショップを開設した経緯からお聞きしていきたいと思います。もともとモデリングとかはやっていたのでしょうか?

こあられ:
BOOTHを始めるまでは全く触れたことがなかったです。

もともと2018年頃にVRChatを始めたんです。昔から新しいものが好きで、とりあえずVRがどんなものなのか試してみたいな、とOculus Riftを購入してみたんです。まずは「Beat Saber」とかで遊んでいたのですが、友人がVRChatをすでに遊んでいて、「一緒にやってみる?」と誘われたんです。それで始めました。

――2018年というと、ちょうど日本コミュニティの第一次ブームくらいの時ですよね。最初からVRだったんですね。

そうですね。3点から始めました。

――そこから実際にモデリングを始めたキッカケはなんだったのでしょうか。

実は、一度病気で倒れてしまった時期があったんです。全身麻痺で意識不明になってしまって、1ヵ月ほど入院していて。家に帰れるようになってからも数ヵ月は出社ができる状態ではなく、休職していました。

その休職している間がとにか暇でしょうがなくて。その時は、ひたすらアバターの改変をしていたんです。その流れで「オリジナルの衣装も作れるかも」と思い始めて、モデラーの友達に教えてもらいました。

――その時はどんな改変をしていましたか?

好きなキャラクターの再現みたいなことをしていました。例えば、東方のあのキャラみたいな感じで決めてから、そのキャラを再現するためには、じゃあこのアバターならできそうかなみたいな。それで、いろいろなアバターを触っていたんです。

――いわゆる「コスプレ改変」みたいなイメージですね。

そうです。ただ、当時はテクスチャをいじってみるくらいしかできなくて、表現力にも限界を感じていました。それで、自分で衣装も作れたらいいなと思い始めたんです。

ちょうど友人に、アバター制作をしているクリエイターさんがいて、その方を頼って教えてもらいました。まずは、簡単な衣装を3時間くらい付きっきりで、操作方法から何から何までDiscordで画面共有しながらレクチャーしてもらったんです。

――え、逆に3時間で習得できたんですね!?

そうですね。あくまで操作方法とかベーシックな部分ですが。それで、もう販売を始めちゃったんです。最初から「せっかく衣装制作にチャレンジするならBOOTHでの販売までしたい」という気持ちがあって、Blenderでとりあえず四角い布を作って、端だけ止めてCloth設定をして、マントだと言い張るみたいな。

それがいきなり150個も売れちゃって。ただ、サムネイルに乗せていた自分の改変の肌テクスチャを売ってくれみたいな少しずれたお問い合わせも増えてしまったので、商品自体は今は取り下げてしまったのですが。

――すごい。作って販売していきながらスキルを磨いていったんですね。

まさにそんな感じです。最初の方に発売した衣装って布面積がかなり少ないんですよ。例えば、この「「幽狐族のお姉様」用衣装 胸だけ隠さないシャツ」なんかは、胸のウェイトを塗るハードルが高くて、じゃあデザインから「あえて隠さない」ことにしちゃおうみたいな。そうやって、できるところから始めて、毎回徐々にチャレンジをしていきつつスキルアップしてきました。

「刀語」から命名した和服シリーズ

――ちなみに、衣装制作のインスピレーションはどこから得ることが多いですか?

いろいろありますね。例えば、街中や電車に乗っているときとかに、隣のギャルがすごい格好していた、とかソシャゲのガチャを回していて、この子のこの部分のデザインがいいなと思った、とか漫画やアニメを見ているときも。要素ごとに、こんなデザインいいなみたいなものをストックしておくんです。それで、いざ衣装を作ろうとなったらテーマを決めて、そのテーマに合う要素をストックから引き出していくようなイメージです。

――なるほど。これまで140点近くの商品を発売されてきたと思います。特に思い入れのある商品はありますか?

「百花繚乱」は特に気に入っています。大きな蝶々モチーフのデザインがチャームポイントの和服衣装です。

昨年11月に発売したのですが、さらさんが主催されているキャストイベントのFesti-Bar 「Do Now」というところで、キャストさん全員がこの衣装を着て接客をする特別イベントを開いていただいたんです。それがとても印象に残っています。

――このデザインは何か参考にされたものやインスピレーションのもとになったものはあるんでしょうか?

実は、もともと半透明の蝶々のデザインはなかったんです。ちょうど当時ガンダムの「閃光のハサウェイ」という映画が流行っていて、そこにペーネロペーという機体が出てくるんですね。それを見ていた時に、「行けそうだな」と思ったんですよ。ペーネロペーから着想を得て、蝶々のデザインを追加しました。

――そこからだったんですね!?

あと、和服衣装はもともと好きなんです。2020年11月に「錦上添花」というメリノちゃん向けの和服衣装を販売していて、あと2021年11月には「飛花落葉」、2022年8月に「落花狼藉」、そして2022年11月の「百花繚乱」という流れで、それぞれ「花」が入る四字熟語を商品名にした和服シリーズになっています。

これには元ネタがあって、西尾維新さんの小説で「刀語」というものがあるんです。その主人公が使う剣法に「虚刀流」というものがあって、それの奥義が、それぞれ「花」の漢字が入る四字熟語なんですよ。すべてで7つあります。

迷ったらその中からひとつ選んで和服衣装を作ろうと決めているんです。シリーズ化している商品ですね。

かわいいフリルにチャレンジした「フェ・ド ラ フィデリテ」

――ほかに、例えば自分の中でターニングポイントになったような商品などはありますか?

2021年12月に公開した「フェ・ド ラ フィデリテ」という商品は頑張りました。ゴシックメイドなんですが、フリルってかなり大変なんです。これまでは、労力やスキルとの兼ね合いもあって、肌露出多めの衣装が多かったのですが、これはかなり控えめにしていて。そういった意味でも、「可愛さ」を前面に出した商品となって、これまでの自分の商品とは一味違う作品になったと思います。

――確かに。こあられさんの商品って、もちろん数が多いので幅広く作りたいものを作られているなという印象ですが、大胆なデザインのものが多い印象ではありますよね。「フェ・ド ラ フィデリテ」は、その意味からも殻を破った作品になったと。

個人的に、エロさを前面に出したいわけではないんです。「かわいい」や「かっこいい」がベースにあって、味付け程度に「ちょっとえっち」みたいな。そんなデザインができるといいなと思っています。

今年の4月から専業クリエイターに 月イチ発売が目標

――ちなみに商品をリリースする頻度などは決めていますか?

実は、今年の4月から仕事を辞めて、アバター衣装専業でやり始めたんです。それまでは思いつき次第作っていくような感じだったんですが、今年度からは月一で複数アバター対応の衣装をコンスタントに作っていきたいなと思っています。

――すごい。衣装販売を本業にされたんですね。

本職が保守作業だけになってしまって、新しいことをやらなくなっちゃったんです。つまらなくなったので、一旦辞めようという感じでした。いまは、服作りだけで生きていけたらなと思ってます。

――専業クリエイターとしての道を選んだいま、将来の展望や目標はありますか?

そこまで大層なものではないですが、自分1人だけではなく、クリエイターやイベンターの人と協力してなにか面白いことをやっていきたいなといった漠然とした思いはあります。

――最後に、次回作についてすでに公開できる情報などあれば教えてください!

次回作については、ちょうどウェイトとテクスチャがだいたい終わって、いまアバター対応の作業をしているところです。商品名は「Furioso(フリオーソ)」で、フリルとゴシックとバニーの要素を入れてみました。6月30日に発売予定で、現時点では桔梗、萌に対応する予定です。対応アバターはもっと増えるかもしれません!ぜひチェックしてみてください。

●参考リンク
こあられのアトリエ(BOOTH)
こあられ。(Twitter)

ABOUT US
アシュトン「メタカル最前線」初代編集長
2021年3月より「VRChat」はじめソーシャルVR/メタバースの魅力を発信するメタバースライターとして活動。週100時間以上仮想空間で生活する「メタバース住人」として、AbemaTV「ABEMA PRIME」、関西テレビ「報道ランナー」、TBS「サンデー・ジャポン」ほか多くのメディア取材を受ける。2022年4月に「メタカル最前線」を創刊。