NPO法人バーチャルライツは、4月29日に「バーチャルライツ設立1周年記念パーティー」をVRChat上で開催しました。
今回は、盛況だった一周年パーティの模様を取材。さらに、理事長のSUKANEKIさんに一年間の活動の振り返りや、これからの展望についてインタビューしてきました。
NPO法人バーチャルライツとは
バーチャルライツは、VR/メタバース文化の振興を目的としたNPO法人になります。VR文化とクリエイター保護を目的に、議員や有識者を招いて意見交換、行政に対して法案への意見書を提出しました。
また、VR/メタバース文化の振興をする試みも行っています。
これまでには、VRの魅力を発信する人を応援や支援をすることを目的に「VR文化アンバサダー」、VR上で撮影された写真のコンテスト「VR写真大賞」の開催がありました。
1周年パーティの様子をレポート!
パーティの会場には、「VR文化アンバサダー」をはじめとしてバーチャルライツの活動に携わる人が多く来ていました。
パーティの前半は、理事長のSUKANEKIさんが一年間のあゆみについてお話する形になりました。
法人の活動として、VRに親しみのない人を招いてイベントができたことの紹介。
ユーザーやクリエイターに向けて勉強会を開催を行い消費者教育も行っていました。
三重県や経済産業省、日本赤十字社の後援をもらった「VR写真大賞」の開催。法人内有志の社会貢献活動として、AEDをVR上で体験する取り組みを行いました。
官公庁、議連に対して政策提言の実績から政治への関わりが積極的に行われた一年だったとわかります。
その後は、乾杯の音頭を取り参加者同士の交流会が始まりました。
交流会の中では、初心者からイベントの運営をしている人まで多くの人が参加しており、お互いにどのような活動しているのか話していました。
最後には全員での集合写真となり一時間のパーティは終わりました。
そして、サプライズで理事である巴波みなとさんへ感謝状が送られました。バーチャルライツの役員は金銭的な対価無しで活動しており、その中で仕事をしながら一年間努めたことへの感謝になります。
理事長のSUKANEKIさんにインタビュー
バーチャルライツの理事長であるSUKANEKIさんにインタビューしてきました。
ーーまずは、一周年おめでとうございます。一年間活動した手応えはどうでしょうか?
SUKANEKI 活動一年にしては非常に多くの手応えを得たと思います。特に、始めた時にコネや活動資金などがあったわけではない中で、できるところまでできたと思います。
ーーコネがないとおっしゃったと思うのですが、そもそもどのようなきっかけで立ち上げたのでしょうか?
SUKANEKI そうですね、バーチャルライツの設立を考えようとしたのが、2020年の10月ごろになります。その当時、VRなどといった話題が出てくるなかで、おそらく協会などといった動きが出てくるだろうなって踏んだのです。
その中で、事業体などが協会が立ち上がると、個人のユーザーやクリエイターが置き去りにされてしまうだろうという直感的な危機意識が生まれました。
そこで、当時高校生だった自分が何ができるだろうと考えた時にNPO法人を立ち上げることにしました。
ーー先見の明ありますね……
SUKANEKI 様々な団体や出来事が出てきて、バーチャルライツの存在意義が明らかになったなと思います。
ーーNPO法人として立ち上げた理由について聞いてもよろしいでしょうか?
SUKANEKI まず、誰でも参加することができるようにしたかったのがありました。そこで、NPO法人は法律で誰でも参加できるようにすると義務づけられています。また、利益が出たとしても50%以上は非営利活動に回さなければならないという義務もあります。
そのことから、利益追求のための組織ではないよということを理解してもらいたかったのがあります。
ーー当時高校生で、NPO法人を立ち上げるという選択肢を取ることが行動がすごいです。
SUKANEKI 大学受験が終わった後で暇だったのもあります。しかも、高校の規則でアルバイトは許可を取らないといけないのですが、NPO法人を立ち上げるのには許可がいらないよねというのもあります。
ーーそもそも想定されていないと思います。
SUKANEKI そうなんですよね。ただ、NPO法人についてまったく知らなかったのでどうやって立ち上げるのか調べました。その後、申請が通るまでに3ヶ月ほど掛かるので登記したのは高校を卒業してからになります。
ーーこれまで活動して大きかった出来事はありますか?
SUKANEKI 一年で公的機関と意見交換を多くできたというのはあります。
例えば、経済産業省商務情報政策局コンテンツ産業課の方から2度ヒアリングを受けました。そこでは、メタバースについてユーザーや個人クリエイターの立場から意見をしました。
他にも、幅広い議員に対して意見交換をすることができたので、多くの人から意見をする機会と意見を求められる立場になれたのは良かったと思います。
ーー他の団体の活動を見ても、政治に対して結びつきが強いというのはなかなかないと感じます。
SUKANEKI バーチャルライツは、コンテンツのユーザーとUGC(ユーザー生成コンテンツ)クリエイターが主体となっているNPO法人です。このような活動をしているNPO法人は、日本では画期的ではないかなと考えています。例えば、ゲームのユーザーと配信者で活動をするというのは聞いたことがないでしょう。
ーー最近発表した文化団体の登録制度、法人会員制度の実施意図についてお聞きしたいです。
SUKANEKI こちらは同時に発表する形になりましたが、意図は異なるものになります。
これまでにVR会員登録や「VR文化アンバサダー」といったことを行ってきました。その一環で、集会などの組織単位での会員登録を検討したのですが結びつきが強すぎることから、登録という形で年一回アンケートを出して答える緩い関係として文化団体の登録制度を実施することにしました。
法人会員制度は、賛助会員の制度があったのですが法人の方がVRの文化を援助したいという目的で活動に使う協賛金をいただくという制度になります。参加した法人には、年4回のVRに係る法規制や政策動向をわかりやすくまとめた「VR Policy Review」をお渡しします。
ーー今後の活動について何かありますか。
SUKANEKI バーチャルライツの役割を考えると暇なときが一番いいと思います。ただ、会員間の交流については積極的に行おうかなと考えています。
これまでに空いていた企画課長に先日ゆずさんが就任しましたので、イベントが積極的に行われると思います。
ーー最後に記事を読んでいる人に向けてメッセージをお願いします。
SUKANEKI 当事者第一にユーザー、クリエイターのための活動をしていきます。NPO法人に入るのはハードルが高いと感じるかもしれませんが、実はDiscordのリンクから参加することができます。
こちらのリンクからできますのでよろしくお願いいたします。
一年間で大きく成長した「バーチャルライツ」。これからも、当事者団体としての役割を果たしてほしいと思います。興味のある方は、気軽にDiscordに参加してみてください。
●参考リンク
・NPO法人バーチャルライツ公式サイト
・NPO法人バーチャルライツ公式Twitter
・SUKANEKI(Twitter)