クリエイターにマネタイズできる環境を VRTRPGを牽引するバーチャルパーティーにインタビュー

株式会社バーチャルパーティは、12月8日、バーチャルホビーストア「VazaR」をオープンしました。

このストアサイトはVRChatアカウントと連携できることが大きな特徴で、トークン(アクセス権)を購入後にゲームワールド化されたVRアナログゲームを遊ぶことができたりする他、VRアナログゲームで使用できるアバターやアイテムなども販売されています。

株式会社バーチャルパーティーは、これまでにVRTRPGのツール「CatsUdon」の開発やVRボードゲームワールド製作で知られています。。今回のVazaRは、よりVR内でのボードゲームを活性化するのに一役買うでしょう。

今回はバーチャルパーティー代表取締役のアディン・ヨハネさんに、VazaRのオープンするまでの経緯、VRガンナガンのクラウドファンディングについて聞いてきました。

VRChatアカウントと連携を活かしたマネタイズ

ーーそれではまず、VazaRというサイトがどのように立ち上がったのか、それまでの経緯などを教えて頂きたいと思います。

アディン・ヨハネ(以下アディン):ありがとうございます!私達は大好きなVRのTRPGやボードゲームといった、アナログゲームを生業にしていきたい気持ちで設立された会社です。

最初は、VRのTRPGやボードゲームの楽しさをみんなに広めたい気持ち一念でしたが、それだけだとアマチュアの時の活動と変わらないと思い、そこで株式会社と言う営利団体になったからには営利的に業界を盛り上げる方法がないかと思いました。

その結果思いついたのが、私達と同じく色んなVRやアナログゲームコンテンツを作ってる方にマネタイズの機会を与える方法を作ろうというところです。

今VRChatを含む色んなVRSNSでは色んなクリエイターがVRTRPGやVRボードゲームを作って業界を盛り上げています。
すごく情熱的に色んなコンテンツが作られておりすごく盛り上がり始めておりますが、私達はその盛り上がりに限界が来るのではないかと懸念しておりました。
それは、その活動があくまでも趣味の延長である事で収益を生むことが出来ず、経済活動につながらないということです。

すべてが必ず経済活動につながらないといけないという意味ではありませんが、経済活動が伴わない趣味は非常に発展しずらく、やがて廃れていくケースをよく見ています。

今VRSNSで最も活発なアバターや衣装と言ったクリエイティブ活動は経済活動を伴います。アバター製作して販売することが出来て、その収益でクリエイターはまたアバターを製作に集中でき、よりよいアバターが販売されるようになります。よい循環です。

しかし、今VRChatなどのVRSNSでは製作したワールドやコンテンツを通して収益を得る方法がありません。VRChatを通してワールド毎に月額支援をする方法がありますが、販売の形が限られてしまいます。

他にも、月額支援系サイトでファンを集めて支援してもらったり、クラウドファンディングを使ってワールドを製作資金を集めたりする方法はあります。ですが、市場の小さいアナログゲーム業界でまだ人気のないクリエイターが資金を調達するのはとても難しいです。

せめてリアルと同じくまだ簡単にスタートできる方法である「ゲーム1個を買い切り販売」が提供できないかと思い、VRChat社と相談して作ったのが「バーチャルホビーストアVazaR(バザール)」です。

ーーVRChatのアカウントと連携したショップは見たことがなかったと思うのでとても画期的に思います。どのように使っていくのでしょうか。

アディン:まず、VazaRのサイトで会員登録をしていただいて、VRChatアカウントとの連携をします。連携の方法は、マイアカウントのページにありますので参考にしてください。

VazaRではアクセストークンっていうのを販売してるんですけど、要はここで販売してるものを買ったらワールドの方にアクセストークン連携されて、ゲームが遊べるようになるっていう仕組みになっています。

ここは「きょうりゅうレース」という名前のボードゲームのワールドなのですが、このゲームはぼくがすでに購入しているのでご説明ができると思います。

ここにあるカードとかデッキとか、全部ロックが掛かっていると思いますが、VazaRでゲームを買っていないからなんですね。

でもインスタンスに、ゲームを購入している人がひとりでもいると、ロックが外れる仕様になります。トライアルで5分だけ解除、ということもできます。

ちょっとやってみてゲームが気に入ったら、その場でショップへ行ってトークンを購入することもできますよ。

ーーアカウント連携をすることでこんなに簡単に遊べるようになるんですね!

アディン:はい。こちらのDINO DERBYきょうりゅうレースは元々リアルのボードゲームとして販売されているゲームですが、VR化して販売しているケースになります。

リアルのゲームを原作者の許可を得てVRゲームにしてVazaRで販売することで、高品質の元画像を使ったVRボードゲームワールドを作って提供することができますし、販売金額もちゃんと原作者に還元することができます。

今販売してるアクセストークンを使った商品は、全部自社で製作してるものだけなんですが、今何人かの方たちにお声をかけて、VazaRに出店する準備も進めています。
アクセストークン機能を使うと、ワールドのコンテンツの販売ができるようになります。

VazaR Rocketで広がるクリエイターとユーザーとのつながり

ーー「VazaR Rocket」というクラウドファンディングのサイトもたちあげられるということなんですが、とても気になっています。概要などを教えてください。

アディン:VaZaR Roketは、VazaRの派生サイトであり、追加機能になります。今のVazaRでは、買い切り、サブスクリプションなどで月間購読などの購入方法が用意されていますが、中にはクラウドファンディングをやりたいっていう方もいらっしゃると思います。なら一層VRを専門としたものがあればやりやすいのではないか、と考えたのがきっかけです。

このクラウドファンディングサービスは、VazaRのアカウントとも共有・連携ができます。そしてVazaRの「アクセストークン」を使うことで、支援して下さった方に向けてワールドの中で特典を与えたりなども可能になります。

ーーVazaR Rocketはいつ頃オープンする予定なのでしょうか。

アディン:12月26日に、VRガンナガンのクラウドファンディングのオープンと共に公開されます。ですがガンナガンのクラファンが終わったら、当分閉じる予定です。

正式オープンは、2024年の上旬あたりを予定しています。まだできていない機能もあるので、あくまでも今回先行公開として、公開させていただいております。

ーー来年がとても楽しみですね!今後のVRボードゲーム界隈の盛り上がりが期待できそうです。
アディン:ありがとうございます。毎週イベントもやってるので、ぜひ遊びに来てくださいね。

VRで遊ぶボードゲームの人気をきっかけに、新しいチャレンジが見られるVR界隈。来年の動向がとても気になりますね!

●参考リンク 
VRホビーストア VazaR 
株式会社バーチャルパーティー公式X(旧Twitter)アカウント 
アディン・ヨハネ公式X(旧Twitter)