スイスの人類学者・Mila(リュドミラ・ブレディキナ)氏と、メタバース文化エバンジェリスト・VTuberのバーチャル美少女ねむ氏は9月5日、急速なユーザー数の増加により注目が集まるようになった「メタバースでのハラスメント」に関する大規模アンケート調査を開始しました。
回答条件はハラスメント経験の有無を問わず、VRゴーグルを用いてソーシャルVRをプレイしているユーザー。回答の募集は、Twitterおよび各種VR関係団体や企業など「公式サポーター」による情報拡散により呼びかけ、9月24日まで実施します。
- NPO法人バーチャルライツ(リンク)
- PANORA(リンク)
- メタカル最前線(リンク)
- 株式会社ブイノス(リンク)
メタバースがより自由で安全なものになるための議論を活性化させるため、レポートは無償で公開される予定とのことです。
Milaさんとバーチャル美少女ねむさんといえば、以前より研究ユニット「Nem x Mila」として、複数の大規模アンケート調査を実施してきました。中でも2021年に実施した「ソーシャルVR国勢調査2021」では、約1200件の回答をもとにメタバースでのユーザーの生活実態を分析し、レポートを無償で公開。文化庁・四季報・各種新聞・テレビ番組など様々な場面で参考データとして取り上げられたほか、バーチャル美少女ねむさんの自著「メタバース進化論」でもそのデータが活用され、大きな話題を呼びました。
今回の調査では、一部のメディアや報道において強調される、挑発的な言動や中傷などのメタバースでのハラスメント問題の実態を複数のプラットフォーム・地域にかけて定量的に調査することを目的としています。
1)ユーザーは実際にハラスメントに遭遇しているのか? その場合、どのようなハラスメントがあるのか?
2) ユーザーのジェンダーやセクシュアリティは安全性に影響を与えるか?
3) ユーザーはどのように迷惑行為に対処し、どの程度の影響を受けているのか?
メタバースで起こっている実態を可視化することで、私たち一人ひとりがより良い「メタバースマナー」について考え、メタバースでの生活がより自由で、より安全で、より楽しくなるきっかけになることを期待しているとのことです。アンケート調査は、日英で行われ約3~7分程度での回答を想定しています。以下に調査概要を記載します。
- 方法:日英バイリンガル対応した回答フォームによる公開アンケート方式。回答時間は約3~7分を想定。
- 目的:本調査は、ソーシャルVRにおけるハラスメントに関するもの。メタバースがより自由で安全なものになるための議論を活性化させるため、調査結果は個人が特定されない形でレポートとして無償公開する。
- 対象:VRヘッドマウントディスプレイを用いて、ソーシャルVR (VRChat、Rec Room、Neos VRなど) を直近1年以内に5回以上使ったユーザーで、英語もしくは日本語話者の方。(デスクトップ・スマホからのみの利用者は今回は対象外)
- 期間:2022年9月5~24日
- 回答フォーム:https://forms.gle/U3a9hfWdWcto6qr28
※「メタカル最前線」は、同アンケート調査の公式サポーターとして協力しております。
●参考リンク
・プレスリリース
・バーチャル美少女ねむ(Twitter)
・Mila(Twitter)