VR演劇演出家のぬこぽつさんは、5月29日より6月1日までの4日間、20世紀を代表するドイツの劇作家ブレヒトの作品「三文オペラ」をラップ演劇に大胆にアレンジしたVRラップミュージカル「三文オペラ」の公演を開催することを発表しました。ぬこぽつさんは一般社団法人メタシアターの代表理事も務めるなど、VR演劇の発展に力を入れているVRChatユーザーです。
今回の「三文オペラ」は5月29日から6月1日までの4日間、5公演。観劇自体は無料ですが、事前に専用サイトからの予約が必要です。予約を忘れないようにしましょう。
ラップ演劇とは?
そもそも、ラップ演劇とは何なのでしょうか。ぬこぽつさんに伺いました。
VRChat上でラップ演劇公演が開催されるのは、初めてではないでしょうか。
今回上演される「三文オペラ」ってどんな作品?
『三文オペラ』(さんもんオペラ、原題:Die Dreigroschenoper)は、ドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトが手掛けた戯曲。同じくドイツ出身の音楽家クルト・ヴァイルが作曲を手がけた音楽劇です。初演は約100年前の1928年8月。何度も映画化や、国内外で数多くの劇団やユニットが独自の演出で上演する、20世紀劇作の代表的な作品だそうです。
乞食を束ねる若き悪党のメッキーは、知り合ったばかりのポリーと結婚式の準備に追われる。ところが、ポリーの父はメッキーの商売敵のピーチャムだった。ピーチャムは、あらゆる手を使って二人の仲を裂こうと躍起になり….。
本作の見どころ
ラップ✕VR演劇のコラボレーション
ラップという表現と、VR演劇という文化をクロスさせることを目的に、昨年12月ごろからプロジェクトがスタートしました。今回ラップ指導等でスタッフとして関わるVRラップユニット「Nerd」は、VRChat内でライブ活動や曲の発表などアクティブに活動している二人組。
メンバーであるs4ЪoRiмaさんはメタシアターが運営する劇場「総合芸術劇場Dramapia」のシアターカフェのメンバーであり、ご自身も演劇に興味があるという縁で、ぬこぽつさんが本作の制作をオファーされたそうです。
作中では、s4ЪoRiмaさん作の書き下ろしトラックと「三文オペラ」原作にあるオペラの歌詞を咀嚼したリリックをクサリさんが制作。戯曲のラップ化というこれまでにない試みに取り組みました。また、出演者自らが書いたリリックでのラップも劇中に登場するそうです。どんな仕上がりになるのか、本番が楽しみですね。
円形型の劇場上演
会場となるワールド「総合芸術劇場Dramapia」には、2種類の劇場があります。今回はライブアーティスト向けの円形劇場「Session House」で上演されます。

その名の通り180度、舞台をぐるりと囲む座席となっていて、座る場所によって物語の違いが楽しめる専用劇場です。

関係者からのコメント

今回、劇中のリリック、フロウの監修および提供をしました。 ラップ経験ゼロから始めた役者さん達のラップに注目です!

演劇に寄り添うようなトラック作りをしました! 僕が作ったことによって少しでも皆さんの観劇に刺激を与えれたらなと思います。よろしくお願いします!

メッキー役の狩間レイです。私はVR俳優として、VRC映画やRPイベントを中心に活動しています。
今回の劇は、私にとって大きなプレッシャーを感じる挑戦です。未経験のラップや、1時間を超える舞台への出演が初めてであることに加え、主演という重要な役割を任されたからです。
しかし、稽古を重ねる中で、経験豊富で自分の能力を最大限に発揮し、より良い劇を作り上げようと行動する演者の皆さん、一からラップを丁寧に指導してくださった先生方、細かい部分まで気を配る優秀なスタッフの皆さん、そして演者の意見をしっかりと受け止めてくれる演出家のぬこぽつさんといった、素晴らしいメンバーに囲まれていることに気づきました。
この環境のおかげで、肩の力を抜き、観客の皆さんを楽しませることに集中できそうです。
現時点ではまだ稽古期間中で、全体の完成形をイメージしきれていません。でも、これは決して悪い意味ではありません。一人ひとりのメンバーが『より良い劇にしよう』という意識を持ち続けているため、日々進化し続けているからです。
ぜひ、私たちの思いがたどり着く先を、劇場で見届けに来てください。
VRChatで初めての試みであろう、VRラップミュージカル。その目でぜひ見届けましょう。事前のチケット購入が必要なので、お忘れなく。
公演名:VRラップミュージカル 三文オペラ
公演日程:2025/5/29(Thu.)~6/1(Sun)
5/29(木)22:00~
5/30(金)22:00~
5/31(土)14:00~/21:00~
6/1(日)21:00~
会場ワールド:総合芸術劇場Dramapia Session House
公式サイト:https://sites.google.com/view/beggars-opera-rap/
チケット予約サイト:https://ticket.corich.jp/apply/369208/
出演
メッキー(マック・ザ・ナイフ):狩間レイ
ポリー:アメミヤチカ
ピーチャム:とろろ亭やまいも
ブラウン:せびる
ジェニー:ruki
ルーシー:雅にゃこ
乞食たち:ライムリリー・s4ЪoRiмa・クサリ
スタッフ
翻案・演出:ぬこぽつ
演出助手:ライムリリー,フジバヤシ
トラック制作:s4ЪoRiмa
リリック制作:クサリ
ラップ指導:Nerd.
照明:黒子演
DJ:音鳴つむぎ
2010年、東京のカンパニー「ままごと」の柴幸男によって上演された「わが星」が大きな話題となって生まれたのがラップ演劇です。
「わが星」では、宇宙の誕生から消滅までを家族に準えて、連歌のように韻を紡いでいくといった演出がありました。
それ以降2015年ごろから、ラップそのものを劇作のなかに取り込んだユニット「東葛スポーツ」などが登場し、普遍的な演出手法として確立されていきました。
現在は、ヒプノシスマイクなどが違う文脈ながらもラップを中心に据えた作品をつくっています。