“人を混ぜる”だけで、コミュニティはもっと面白くなる。YOYOGI MORIファンに学ぶ、”化学反応”を起こすイベント設計【PR】

どうすれば、アバターコミュニティはもっと盛り上がるのでしょうか?

多くのVRChatユーザーが頭を悩ませるこの問いに、向き合っているコミュニティがあります。独自の存在感を放つアバターショップ「YOYOGI MORI」のファンコミュニティが主催するイベント「Gallery&fanCafe Kittens」です。

彼らがやっていることを、具体的に紹介させてください。

  • YOYOGI MORIのアバター「Undone Kittens」(以下、アンキテ)をモチーフにしたカフェイベントを毎月開催。
  • YOYOGI MORIのアバターをテーマにしたフォトコンテスト。
  • 月替わりにテーマが異なる写真展。

……この熱量と企画力、すごくないですか?

YOYOGI MORIのアバターを軸にしつつも、フォトコンテストや写真展によるフォトグラファーとの交流や、音楽イベントの開催など、異なるコミュニティを混ぜる試みをしています。

なぜ、これほどの活動を続けられるのでしょうか。その熱源と仕掛けの数々を、イベント主催者koujiさんへのインタビューから紐解いていきます。

「なければ、自分で作る」──たった一人の情熱から始まった挑戦

すべての始まりは、フレンドからかけられた「VRChatは『無ければ自分で作る』が基本だ」という一言だったと、主催者のkoujiさんは振り返ります。

「実は一度、『アンキテの存在感を感じられるワールドを作ってみたい』という気持ちからカフェワールドを試作しようとしたのですが、勉強不足でYOYOGI MORI様へ相談したところ規約的に難しいと伺い、断念したことがありました。その後もその気持ちを抱えながら、『アバター集会とか少ないんだよね』とか『YOYOGI MORIアバターの写真とかもっと見たいね』なんて話をフレンドとしていたんです」

くすぶっている彼に、フレンドは言いました。「無ければ自分で作りなさい」。

「その言葉に背中を押されて、『ならば、YOYOGI MORIアバターのフォトコンを自分で開催して観たい写真を集めて、それを展示するワールドを作ってユーザーさんを集めるか!』と再チャレンジを決意したのが、このイベントのきっかけです」

目指したのは、”人”と”作品”が交錯する空間

koujiさんが目指したのは、単なるアバター集会ではありませんでした。その根底には、VRChatの現状に対するある種の課題意識がありました。

「VRChatって、同じ界隈の情報は伝わりやすいのですが、別の界隈にはほとんど知られないという状況があって、それがとても残念だなと思っていました。折角イベントを開催するなら、異なる世界の『人』と『作品』が交錯する空間造りをしたい。そう思って、『YOYOGI MORIユーザー』『写真展』『弾語り』という3つのコンテンツを用意して、そこにかかわる人々が混ざり合えるイベントを理想にして設計してみました」

VRChatでは、お気に入りのアバターごとに独自のコミュニティが形成され、その中で熱心なファンによる写真撮影やイベント開催など、素晴らしい文化が育まれています。

しかし、その熱量は、ともすればコミュニティの「内側」に閉じてしまいがちです。どれだけ凄い作品が生まれても、他のコミュニティにいる人にはなかなか届かない。koujiさんは、その「見えない壁」を、とてももったいないと感じていました。

だからこそ、彼はこのイベントで「YOYOGI MORIユーザー」という軸は持ちつつも、そこにアバターの垣根を越えた「音楽アーティスト」や「フォトグラファー」といったクリエイターたちを積極的に招き入れたのです。

YOYOGI MORIのアバター好きが、ふと立ち寄ったライブで最高の音楽に出会う。写真展を見に来た人が、アンキテの魅力に気づく。そんな、コミュニティの壁を溶かすような「横断的な出会い」こそ、主催のkoujiさんが掲げる理想でした。

コンセプトが”現実”になった瞬間

では、コンセプトとして掲げられた「コミュニティの壁を溶かす化学反応」は、実際にどのような形で生まれているのでしょうか。この半年間の軌跡の中に、その具体的な成功例をいくつも見ることができます。

まずは、毎月の写真展がもたらした嬉しい効果です。

「VRChatで撮られる作品は、どうしてもXのポストやフォトコンの展示等で『点』として見られがちです。でも、作家の作品群を通して観た時に伝わってくる『線』としての良さもある。来場者の方から作家性に関心を持った感想を聞かせて頂けたり、『次はどんな人の個展だろう?』と作家へ関心を持ったコメントを頂けたりするので、その狙いは伝わっているかなと感じています」

そして、コンセプトの核心である「別界隈の交流」が、まさに目の前で起きた象徴的なエピソードもあります。

「カフェイベントの後半で、とあるアーティストの方の弾語りを聴かれたイベント主催者の方がいらっしゃいまして。『え!こんな人いたの?!』と歌唱の良さに驚かれて、イベント終了後にそのアーティストの方へ早速出演交渉をされているのを見たんです。別界隈の人同士の交流という、私の当初の希望通りの姿が見られて、とても嬉しかったですね」

ワールドアップデートに込めた、次なる一手

そして、オープン半年を記念し、ワールドもアップデートされます。今回追加されるのは「プールエリア」と「衣装展示スペース」です。それぞれの狙いを、koujiさんはこう語ります。

「プールは、来場者の方々により一層ワールド内での写真撮影の楽しさの幅を広げて頂きたいという思いと同時に、広くステージをご用意できたことで、音楽系アーティスト様達にも、より幅の広いパフォーマンスを披露して頂けるかと思っています」

そして、もう一つの「衣装展示スペース」には、コミュニティをさらに活性化させるための、より戦略的な狙いが込められています。

YOYOGI MORIのアバターと聞くと、その価格帯から「高級ブランド」というイメージを持つ人も少なくないかもしれません。デフォルトのままでも完成された魅力や世界観を持つがゆえに、どこか「お硬い」、自由な表現の幅が狭い、と感じてしまうことも。

今回のアップデートで追加される「衣装展示スペース」は、実際にある商品を紹介する形で、ハードルやイメージを変えていこうといったアプローチになります。

「YOYOGI MORIの魅力には、『YMファンメイド』というクリエイターの力は不可欠だと思っています。この展示スペースを通して、YOYOGI MORI様・ユーザー様・ファンメイドクリエイター様の3点を結んで、『面』としてYOYOGI MORI世界の魅力を楽しめる空間造りに寄与出来たら嬉しいなと思っています」

この「YMファンメイド」とは、個人クリエイターがYOYOGI MORIのアバターに対応した商品を制作・販売できる、公式のサポートプログラムです。申請すれば、制作に利用できる「ファンメイド専用素体」が公式から提供され、YM規格に準拠した衣装などを自由に制作・販売できます。(詳細はこちら

ブランドが生み出す確かな世界観、ユーザーが育むコミュニティの熱、そしてクリエイターが拡張する無限の可能性。この3つの歯車が噛み合うことで、YOYOGI MORIの世界はさらに面白くなっていくことを狙っているとのこと。

コミュニティの”今”を、その目で確かめに行こう

最後に、この記事を読んでいる「アバターは手に入れたけれど、まだ自分の居場所を見つけられていない」と感じている人々へ、koujiさんからメッセージを預かっています。

「私たちのイベントは『カフェイベント』のスタイルはとっていますが、本質的には『アバター集会』の雰囲気を大切にしていきたいと思っています。イベント中は、お一人でもじっくりとお楽しみ頂けるコンテンツとして『写真展』と『音楽』をご用意しておりますので、お気軽にお越し頂きまして自分のペースでゆっくりとコミュニティでの交流をお楽しみいただけましたら嬉しいです」

ワールドのアップデート、そしてフォトコンテストの結果発表イベントが開催されるのは、記事公開翌日の7月20日(日)です。

ユーザーが主体となって創り上げるコミュニティの熱気を、この機会にその目で確かめてみてはいかがでしょうか。

イベント情報
  • イベント名: Gallery & fanCafé Kittens
  • 開催日時: 2025年7月20日(日) 22:00~23:00
  • 場所: VRChatワールド「Gallery & fanCafé Kittens」
  • 実施内容
    • フォトコンテスト結果発表
    • ワールドアップデート記念イベント
    • プールエリアの開放
    • 衣装展示スペースの新設

イベントに行けずとも、ワールドだけでもフォトコンテストの結果や衣装展示は見られます。ぜひ、下記のリンクからアクセスしてみてください。