4月29日、ソーシャルVR「VRChat」にてsonic885さん制作によるワールド「Yokosuka Museum of Art -横須賀美術館-」が公開されました。同ワールドは、神奈川県横須賀市に実在する横須賀美術館を、同館および山本理顕設計工場、廣村デザイン事務所の許可、協力を得て再現したものとなっています。
昨年2021年4月10日にも、同氏により同名のファンメイドワールドが投稿されていたのですが、今回は本家ともいえる横須賀美術館公認のワールドとなっており、建築のモデルデータは再制作。建物の寸法や全体的な形状、ロゴマークなどの細かい部分も同館協力のもとより現実のものに近づけています。
建物の再現ワールドとなっているため、所蔵作品は含まれておりません
横須賀美術館とは?
横須賀美術館は、横須賀市の市制100年を記念し、2007年に開館した観音崎公園内にある美術館です。横須賀・三浦半島にゆかりのある作家の作品や、横須賀・三浦半島を題材とした作品、「海」を描いた作品、日本の近現代美術を概観できる作品を中心に、約5000点の日本の近現代美術の作品を所蔵しています。
建物は、山本理顕設計工場によりデザインされており、自然光を取り込むための特徴的な丸窓や塩害を防ぐために外観をガラスで覆うつくりになっている点などが特徴的です。すぐ近くに海が面していることもあり、波音にそよ風、綺麗な景観も特長で、リラックスした時間を過ごせる滞在型の施設になっています。
より増した再現度 前回からのアップデート
今回の、更新で大きく変化した点は、「ピクトグラム」と「ロゴマーク」です。
実際に館内の案内に使われている廣村正彰氏デザインによるピクトグラムを同事務所から素材提供により、館内のいたるところに配置。より現実の美術館に近づいています。同じく、「ロゴマーク」も同事務所公認のもと実際のデータへアップデート。
企画展示室には、「ヨコスカビジュツカン ノ ススメ」として、こうしたピクトグラムやロゴマーク、建物などに関する簡単な解説も展示されています。
実際に行った記憶がよみがえる!デジタルツインに見る可能性
実は、筆者は横須賀生まれなこともあり、このワールドは、昨年4月の初回投稿時もよく遊びに行っていたお気に入りのワールドでした。筆者が実際に横須賀美術館に訪れたのは数回程度で、いずれも10年以上前のかなり幼いころでした。
しかし、実際に訪れてみると、「ここ行ったことある!」「そうそう、こっちに行くとこうだったよね」とおぼろげにしか覚えていなかった記憶がみるみると蘇ってきました。今となっては、地元も離れてしまい簡単に帰省できる距離ではなくなってしまったのですが、久しぶりに訪れてみたいと強く思いましたし、VRChatのフレンドと一緒にオフで遊びに行きたいとも感じました。
作者のsonic885さんもTwitterにて、「個人的なおすすめの楽しみ方は 『VRと現実でどっちも行ってみて、現実の体験とVRでの体験が”ダブる”という感覚を楽しむ』というものです。」と伝えていますが、この体験の”ダブり”は感覚としてかなり不思議なものです。
こうした分野は、現在「デジタルツイン」として注目を集めている領域です。最近では、VR法人HIKKYが全世界100都市をメタバース上に再現しようとするプロジェクト「パラリアルワールド」なども話題を呼びました。
何百キロ離れていても一瞬で移動することができるバーチャルで、現実にある場所を体験し、今度はリアルでもバーチャルで再現されている場所へ行ってみる。さらにそこへ、バーチャルでできたフレンドとリアルに行ってみたり、リアルのフレンドとバーチャルで会ってみたり。仮想と現実双方のメリットを組み合わせた新しい利活用の方法がそこには眠っていそうです。
sonic885さん制作ワールドはBoothで販売中!
本ワールドを制作したsonic885さんは、Boothにて自宅ワールドを販売している3Dモデラーです。同氏制作のワールドは、こちらのSC工務店というBoothページにて販売されているため、気になる方はぜひチェックしてみてください。
●参考リンク
・sonic885(Twitter)
・ワールドリンク(PC Only)
・「SC工務店」(Booth)