日産自動車、VRChatで新型EV「日産サクラ」をお披露目! 新時代の新車発表会を徹底レポート

日産自動車株式会社(以下、日産)は5月20日、同日発表した新型軽電気自動車「日産サクラ」のVR・メタバース上でのお披露目会を「VRChat」にて開催しました。当日は、関係者および招待を受けたメディア関係者、インフルエンサーなどが本会場へ集合。また、先着20名がVRChat上の公式パブリックビューイング会場でお披露目会を見守りました。

イベント終了後には、今回発表となった新型EV「日産サクラ」を、現実より先に試乗できる特設ワールド「NISSAN SAKURA Driving Island」を一般公開しました。同ワールドは、「NISSAN CROSSING」「NISSAN ARIYA “Global Warming& Our Future” Tour」に続き、VRChatに公開された3つ目の日産公式ワールドとなります。

「日産アリアとめぐる環境ツアー」がVRChatにて一般公開 工夫されたVR情報発信を体験

絢爛なパーティクル演出!現実以上に煌びやかなメタバースお披露目会

お披露目会は、まず日産の公式バーチャルギャラリー「NISSAN CROSSING」からスタートしました。日産のメタバースイベントではお馴染みとなってきている副社長・星野さんがリアルアバターの姿で登場。

来場者および観客に向けてメタバース上から語りかける星野副社長

「昨年メタバース上に始めてこのNISSAN CROSSINGを公開し、コミュニティの方々から多くのご支持や応援メッセージをいただきました。その後も様々なイベントを通してクリエイターやパフォーマーの方々との協働を重ね、ついに今夜メタバース上での新車発表会と試乗会を開催することができました」

星野副社長も語るように、日産が実施する一連のメタバースへの取り組みは、常にいまメタバース上にあるコミュニティを強く意識しており、いまここで活躍するクリエイターやパフォーマーとの協働に重きを置いています。コミュニティと一緒にメタバースを盛り上げていくという意志を副社長自らが伝えに来る。ここに日産の本気を感じました。

驚きのパーティクル演出!? 可能性見せた新車発表会

大企業の新製品発表会といえば、作りこまれたプレゼンテーションに、広いステージを存分に使った演出など、新製品の魅力を最大限伝えるため社運をかけて臨まれる豪華絢爛な演出がつきものです。それは自動車会社も例外ではありません。

こうした作り込んだステージ演出とメタバースは実は非常に相性がいいのかもしれない。そんな可能性を見せたのが今回の「日産サクラ」VRお披露目会でした。

移動先の新車発表会場は、何やら真っ暗な空間。少し歩いた先にある星でかこまれた楕円形のエリアに案内されます。来場者の中には、初めてVRChatに訪れたようなメディア関係者なども見受けられ、「これから一体何が始まるんだ」という期待溢れる想いが会場を包みます。

真っ暗な会場に案内される参加者一行

そこで登場したのが、今回の会場アテンドスタッフ兼パフォーマー・yoikamiさんです。SXSWアバターダンスコンテストでの優勝経験も持つVRパフォーマー、そしてプロアクターチーム「カソウ舞踏団」の団長などメタバース界の最前線を走る彼が見せたのは、いわゆる「パーティクルライブ」と呼ばれるパーティクル演出に合わせたダンスパフォーマンスでした。

パーティクル演出とダンスパフォーマンスがマリアージュするVRならではの演出
これが、すべてQuest対応というのだから信じられない

会場全体から漏れ出す驚きの声。じゃぱぁさん制作によるパーティクル演出と、それに合わせたカソウ舞踏団団長yoikamiさんのキレイなダンスパフォーマンス。新車発表会×VRパフォーマンスとはじめ聞いた際には、一体どうやってまとめあげるのだろうかと不思議に思いましたが、これであればメタバースならではの演出で期待感をあげる最高の演出だと感心しました。

そして、ここからの新車発表。バーチャル音楽ユニット「YSS」の楽曲「Beyond Our Dreams」に合わせ最も盛り上がったタイミングで、yoikamiさんの背後に桜の樹をモチーフとした大きな柱が出現。これと同時に、yoikamiさんが指を振っていくとそれに合わせて今回の主役「日産サクラ」が突如出現します。

yoikamiさんの指の動きに合わせて日産サクラが次々と出現
何もない空間から突如、新車両が出現するメタバースならではの演出に驚きの声が上がる

現実の新車発表会でも「目玉である新車をどう見せるか」というのは重大な演出になります。ベールで隠して一気に引いたり、パーテーションの後ろに隠してそれを一気に倒したりと、様々な工夫が見られますが、「何もない空間に突如出現させる」というのは現実では絶対にできない演出です。VRパフォーマンスによる企業の新製品発表という新天地を見せてくれた可能性あふれる新車発表会でした。

「サクラ」をモチーフにした荘厳なパーティクルの柱。VRならではのつくり込みで新車が映える
パフォーマーのyoikamiさんと、プレゼンを担当したVRアイドル桜羽ことねさん

世界最速?新型EV「日産サクラ」をバーチャル試乗!

そして、新車発表会に続くメタバースならではの施策として用意されたのが、この試乗ワールド「NISSAN SAKURA Driving Island」です。「日産サクラ」を最も早く試乗できるワールドとして紹介された本ワールド。実際の乗り心地とは当然異なるものの、実際に自分の手で日産サクラを運転することができちゃいます!

実際に乗ってみよう!しっかりと扉も開けられる!
乗車したらいざ出発!
両手のコントローラーでアクセルとブレーキ、ハンドルを操作していく
途中、EVならではの充電が体験できるコーナーも(協力:浅田カズラさん)
給電口に差し込むとチャージしているようなパーティクルが!細かい!(協力:浅田カズラさん)

VRChat上にはこれまでも、「どらいぶ島 – VR Drive Island -」「DrivingCity at Night」など両手のコントローラーで車を運転操作できるワールドというのはいくつかありました。実際の運転とは操作感などは異なるものの、このドライビングシステムを利用したレース大会も開かれるなど人気な文化のうちの一つです。

今回、「NISSAN SAKURA Driving Island」に来てまず驚いたのは、このワールドの広さ。「NISSAN CROSSING」同様に、本ワールドもQuest2単体でも入れるQuest対応ワールドですが、それを感じさせないクオリティです。

展望台から眺める景色 四季をひとてに一望できる不思議な光景だ

ワールドは大きく春夏秋冬のエリアに分かれており、日産サクラに乗って一周することで四季折々の景色を体感できるルートとなっています。一周するだけで四季が次々と移り変わっていく様子はメタバースならではの光景で、秋エリアにある展望台に行くと四季を一望できる不思議な体験が味わえます。

途中のカフェで店員になりきってくれたカソウ舞踏団・kouaさん
夏のエリアには浜辺も!撮影スポットとしても使えそうなワールドだ
秋のエリアには茶屋があり、お団子やお茶を楽しむことができる
冬のエリアにはかまくらや雪だるまも!各季節でドライブをしながら思い出を作っていこう

単にメタバースで運転ができる体験を用意するだけであれば、もっと簡素なものにもできるはずです。しかし、「Driving Island」(ドライブ島)として実際に景色を楽しみながらドライブができるワールドにすることで、「運転の楽しさ」を味わってもらう。日産が本当に自動車や運転体験というものを大切に思っていること、そしてそれをメタバースのコミュニティにも本気で届けたいと思っていることが強く伝わってくるワールドでした。

浜辺の海で一緒に遊ぶメタバースなにもしない人ことdateyakiyaさん
茶屋でお茶とお団子を楽しむリーチャ隊長ともんちゃん

純粋にドライブワールドとして、非常に楽しめるワールドのため、今後この発表会に付随したワールドというだけに終わらず、長くコミュニティに愛されるワールドへ育っていくといいなと感じました。ぜひ皆さんも遊びに行ってみてください!

NISSAN SAKURA Driving Island By lululuharu

これが日産の本気!とにかく楽しませてくれたお披露目会

新車発表会から試乗会まで、全部で3ワールドを渡り歩いて行われた今回のVRお披露目会。トータルでは1時間程度のイベントでした。純粋に楽しかった。これが今回参加した際にまず抱いた素直な感想です。

配信スタッフ等も含め、総勢24名以上のクリエイターやパフォーマーに支えられた今回のイベント。冒頭に星野副社長が語っていたように「コミュニティの方々からの支持や応援メッセージ」があったからこそ出せる熱量がありました。ナショナルクライアントのひとつである日産が、メタバース・ソーシャルVRのコミュニティにここまで強くコミットしていることには驚くばかりです。

協力クリエイターの一覧 本当に様々なクリエイター・パフォーマーが協力している

新車発表会がメタバース上でコミュニティと協働して行われた。これは非常に大きな意味を持つ先駆的事例になったと思います。今後、日産がメタバースでどんな施策を打ち出してくれるのか、今からワクワクが止まりません。

イベント終了後に撮った集合写真

●参考リンク
プレスリリース
公式配信

ABOUT US
アシュトン「メタカル最前線」編集長
2021年3月より「VRChat」はじめソーシャルVR/メタバースの魅力を発信するメタバースライターとして活動。週100時間以上仮想空間で生活する「メタバース住人」として、AbemaTV「ABEMA PRIME」、関西テレビ「報道ランナー」、TBS「サンデー・ジャポン」ほか多くのメディア取材を受ける。2022年4月に「メタカル最前線」を創刊。