リアルグッズが作れるワールド「MyAvatarGoods」公開!グッズ化の注意点と合わせて紹介

1月31日、株式会社メタバースクリエイターズは、VRChatの専用ワールドで素材を撮影し、現実のグッズを作成するサービス「MyAvatarGoods」を発表しました。

メタカル編集部は、一般公開直前のお披露目配信に参加。今回の記事ではアクリルキーホルダーを作る一連のようすとともに、撮影時の注意点、実際の注文までの流れを解説します。

メタバースクリエイターズの新作はグッズ制作ワールド!

メタバースクリエイターズは、VRChatをはじめとしたUGCメタバースの第一線で活躍するクリエイターが集まるクリエイターチームです。

代表作は、Visit数100万以上・新着ワールドランキングでグローバル1位を獲得した「The Avatar Studio | Avatown」。それ以外にも、プリ機アセット「メタプリ」、「AvatarNPCシステム」など、VRChatでの生活を楽しくするコンテンツを提供しています。

今回発表されたMyAvaterGoodsでは、2種類のアクリルキーポルダーを作成・注文できます。

デスクトップ勢への配慮やカスタマイズ性の高さなど、作る工程も非常に楽しいワールドです。

グッズを作る前に! アバターの規約を確認しよう

愛着のあるアバターをグッズ化する前に、まずは自分が使用中のアバターの利用規約を改めて確認する必要があります。

アバターなどでよく使われるVN3ライセンスの一例
(筆者によるジェネレーターでの作成)

各ショップサービス、ダウンロードサイトなどには、多くの場合アバターと一緒に利用規約が掲載されています。この利用規約内で、有体物(=現実のグッズ化)の取り扱いを明示しているケースがあります。アバターによっては問い合わせが必要なケースや、そもそもグッズ化自体がNGと明記している場合も。

また、「MyAvatarGoodsを使って制作したアクリルキーホルダーを、即売会などで販売したい!」と考えている場合も、規約の確認が必須です。アバターのグッズ化・商用利用に関しては、制作者それぞれで考え方が違います。場合によっては「有償・非営利」ならOKというスタンスの方も、商用利用を一律NGとしている方もいらっしゃいます。

「MyAvaterGoods」ワールド、入口にも利用規約に関する注意文言が

権利関係の注意喚起は、ワールド入口にも掲載しています。MyAvatarGoods側も、著作権侵害や、明確に規約に違反しているアバターは、注文自体をお断りするケースもあり得ます。

アバターのグッズ化・商用利用に関しては、これまでも大小含めても相当数の事例が観測されています。グッズ化において優先すべき事項は、その子を生んだクリエイターへのリスペクトです。自分自身のため、サービス継続のためにも、権利周りはアクキーを作る前に確認しておきましょう。

販売に関連して、自分が権利を保有するアバターなら「アクキーを注文した値段以上で売っても構わない(メタバースクリエイターズ代表・waka00さん)」と配信内で明言がありました。

自由に使えるアバターを持っていれば、使える幅はもっと広がるかもしれません。

規約を読んでもわからないときは…

問い合わせが必要な場合、グッズ化に関する規約がない場合は、メタバースクリエイターズのお問い合わせから報告しましょう。

メタバースクリエイターズがアバター制作者様に個別で問い合わせてくれます。

一度MyAvatarGoodsでの利用許可が出たアバターは、サービス側のホワイトリストに登録されます。個別に許諾確認が取れたアバターは、メタバースクリエイターズが用意する「許諾確認済みアバター一覧」に掲載されます。

利用者が個別で問い合わせをするのは、メタバースクリエイターズへの1回のみ。グッズ化に際してアバター制作者に、個別お問い合わせが殺到する事態を防ぐメタバースクリエイターズ側の配慮でもあります。

プリ機感覚で楽しく生成! 実際にアクキーを作ろう

さて、実際にどんな流れで現実のグッズを作るのか、気になりますよね?ここからは実際に、アクリルキーホルダーを作成・注文するまでの流れを見てみましょう。

「MyAvaterGoods」内、グッズ制作用の専用撮影ブーズ

まず、専用のワールド内にあるブースで撮影を行います。この段階では通常のカメラ機能は使いません。ワールド内にあるカメラを使い、専用のデータを作成するイメージです。

ブースでは、カメラのズームイン・アウトや位置の調整が可能。右横にはデスクトップ勢向けのポージング集もあります。ポージング集は3点でもフルトラでも利用できるので、自分のイメージに近いポーズがあるか見てみるのもアリです。

ポージングを利用するとこんな感じ。
移動でポーズをキープしながら立ち位置を調整できます。Exitを押すと解除

また、ブースに収まる範囲なら複数人での撮影が可能。ブースに収まる範囲なら10人、20人でも撮影できます。実際にお披露目配信では2名での撮影を行っていました。

お披露目配信に招待された方から、立候補者2名が撮影にチャレンジ

写真の撮影が終わったら、すぐ手前にあるプレビュー画面からグッズにしたい写真を選択。

どの写真をグッズ化するか選択。すると……
すぐ横のマシンにカードリッジとしてデータ化!

選択すると、写真データがカードリッジ化されます。

次はこのカードリッジ内に収まった写真データを、ワールド中央部にある「作業台」で編集します。

作業台横のマシンにカードリッジを差し込むと、「FrameMode」「FreeMode」の表示が

作業台では、フレームモード・フリーモードの2種が選択可能。

フレームモードの編集画面。
上部のネームを消して、ハンドルネームを隠した日常使いもできる仕様

フレームモードでは、SNS風のアクリルキーホルダーが製作できます。左上から「ライト」「ダーク」の2種類のフレームが選択でき、「Clear」を押すと、フレーム上部にある自分の名前を消せます。普段の持ち歩きなどでもハンドルネームを隠しながら、さりげないアピールができるデザインに整えたい方にオススメです。

外でのお出かけが楽しくなるフォトフレーム風のデザインは、ひとつあるだけで遊び方が無限に広がる一品。思い出のグッズとしても良し、普段遣いに良しと、手元にあるだけで頬が緩むグッズに仕上がっています。

フリーモードの編集画面。
写真の周りに刺された「ピン」を操作して、アクキーの形を指定する

フリーモードでは、アクリルキーホルダーの形を自由に編集することが可能です。写真の周囲を囲う「ピン」は、掴んで好きな位置に動かせます。

ピンとピンの間には「カットパス」という線が引かれ、加工時にはカットパスの形の通りにアクリルが切り抜かれます。撮影した写真に合わせて切り抜いたり、丸っこいデザインにしたりと、選択肢は無限です。

また、写真上部にある丸いマークも好きな位置に移動できます。このマークは、チェーンを通す「穴」の位置になります。足元や手先など、好きな箇所にチェーンを通しましょう。

カットパスと写真が交わると、印刷が剥がれるおそれがある

ただし、カットパスがアバター部分やスタンプに重なっていると、加工時に不具合が発生する可能性があります。フリーモードの時はほんの少し余裕を持ってカットをしましょう。

宙に浮いているのは「スタンプ」。1枚の写真に5つまで配置可能
距離を離すと拡大するなど、直感だけでもキメたアクキーを作れる

画像を彩るスタンプは、フレームモード・フリーモードの両方で使用可能。配置時の位置によって拡大・縮小もできます。

一通りの加工が終わると、次の指示が現れる

写真データの加工が終わったら、Nextをタッチ。作業台の指示に従い、スロットからカートリッジを抜きます。

ワールド後方に配置された印刷機に似たマシン。

今度は、ワールド内後方に用意された印刷機のようなマシンへ。こちらにカートリッジをはめ込み、「アクキーを出力」を押すと……

さっき撮影したばかりの写真でアクキーができた!!

ワールド内でアクリルキーホルダーが生成されます!VRChatで生成されたアクキーは、ワールドから離れると同じものは作れません。しばらく眺めるもよし、実際に持って遊んでみるも良し。

近くで見てみると、アクリルの厚みや光の反射など、アクリルの質感を見事に再現しています。アクリル系グッズを持っている方は「これこれ!」となり、持っていない方も心を奪われるリアリティを体感してください。

アクキーを出力すると、近くの机にカメラガイドが現れます。

こちらは、現実のグッズを作るために必要な画像を撮影するためのものです。こちらにカメラを入れ、写真撮影を行います。

印刷機の横にある注意書きポスターと、アクキーを注文できるショップへの案内。
出力する前に目を通しておこう

画像を撮影する前に、カメラの設定から「Worldを【Off】」「画像サイズを【QHD】」に設定しましょう。印刷機上に張り出されている黄色のポスターを参考に、同じアイコンを探し、それぞれの設定を切り替えていきます。

カメラを入れると、こんな感じの画像が撮影できます(QRコード部のみ加工)。
背景がきちんと透過できてるかチェック!

カメラマーク部分にVRChatのカメラを入れると、プレビューにこれまで編集した画像と、注文に必要なQRコードが表示されます。QRコードを撮影したら、VRChatで行う作業はここまで。

ここまで来れば、実際に注文するまであと少し。先ほどカメラ設定のために見ていた黄色い案内の真横にある、真っ白なポスターに触れましょう。WebブラウザでMyAvaterGoods用のショップが開きます。

(引用元:MyAvatarGoods公式サイト

注文したい商品を選ぶと、いくつかの注意書きが並んでいます。内容はここまで出てきた諸注意などを簡単にまとめたものとなります。自分では気をつけていたつもりでも、実は気づかず規約やルールを破っていたということを防ぐためにも、改めてここで確認しておきましょう。

ページ下部、画像ファイルをアップロードできる部分
(引用元:MyAvatarGoods公式サイト

ページ下部まで行くと、画像をアップロードできるスペースがあります。ここで先程撮影したQRコード付きの写真データをアップロードし、「カートに入れる」を選択。

あとは、ご連絡先やお届け先など、必要な事項を入力すれば、注文完了です。

アクリルキーホルダーの値段は、フレームモード・フリーモードともに1320円。

送料は全国一律550円となっています。

「ユーザーの声は拾っていく。好評なら海外展開も」

お披露目配信での集合写真

配信ではサービスを作った背景に、オフイベントを中心とした、自分のアバターを使った名刺・待ち受けを見せ合うVRChatの伝統について触れられました。「そういった自分のアバターを見せるためのグッズとして、MyAvatarGoodsが加わってくれれば良い。フレンドと一緒に1点モノのグッズを作ってほしい」という開発陣の熱い感情が語られています。

MyAvatarGoodsは、今後ユーザー次第で使いやすくなるように改良を重ねる予定。VRChatの定番アイテムとして定着し、ゆくゆくは海外発送まで対応したいとのことでした。

一度利用してみて、そのフレンドと楽しみながらグッズを作る楽しさや、自分のグッズができる感動を実感してみましょう。

(写真提供:浅田カズラ